市立小学校にいじめ等の問題解決にあたる専任教師を配置

る日『加藤』のもとに一本の電話が入った。
小学生の子供を持つ母親からである。
母親の声を聞いたとき『加藤』にはおおよその予想がついた。
教育経験者としても見過ごすことのできない問題――。『いじめ』である。
いじめの問題は、年代を問わず起こりえる問題でもある。しかし――『加藤』が一番危険視したのは、少年時代からの『いじめ』によって、子供たちの可能性という芽がを摘まれてしまうことであった。
この『いじめ・学級崩壊・不登校』の問題は低年齢化がいちじるしく、中学校、高等学校に比べ、小学校での政策は大きく出遅れていた。
小学校教師に『いじめ』に対するアンケートを取ってみても、報告はほとんど上がって来ないのが現実である。

受話器の向こうでふるえていた母親の声を胸に『加藤』は、小学校の現状を知るため、訪問することにした。

際に授業が行われている教室。
授業が終わると、担任の教師は胸を張って『このクラスにいじめが無い』ことを主張した。――しかし『加藤』は、すぐにこの教室の実態が解った。
塾長を経験してきた長年の感とでも言うべきか――。しばらく生徒達と時間をともにする事で、どの生徒が、どの生徒から『いじめ』を受けているのかが解ってしまうのである。
(担任の教師は、いじめの実態に気づいていない……)
晴れることのない、うっそうとした思いを胸に『加藤』は帰宅した。
あの電話の母のためにも『一日も早く何とかせねば!!』との思いがこみ上げてくる。
――小学校にも専任教諭を配置する。それが『加藤』の結論であった。
そのためにも、いちばん最初の壁が予算の算出と人材の確保であった。
人材においては、『いじめ・学級崩壊・不登校』という問題を真正面から受け止め、その対処を先進してきた中学校の専任教諭から迎えることとした。
問題は予算である――。
現在の教員制度では、市が職員を採用し、その財政負担は県が行うこととなっている。
ひとり当たり年間1000万は掛かるであろう予算を、県に認めてもらえるだろうか――。

交渉に次ぐ交渉を重ね、平成18年には、市内で6人分の予算は確保することができた。あとは、この政策で実績をのこし、全国へのさきがけとなるモデルケースを作ることである。

の地道な努力の結果――。平成19年度には9人分の予算を確保し、さらに20年度には、18校に『専任教諭』を配置することに成功した。
そして平成22年現在。70という数の小学校で専任教諭が『いじめ・学級崩壊・不登校』の問題と向き合っている。
『加藤』の次なる目標は、市内346校の全ての小学校に『この専任教諭を届けること』であった。
すでに、平成22年10月の委員会において『平成23年度からの4年間で全校配置をめざす』との答弁を市長から得ている。